Y邸(埼玉県)

 

□庭木・庭石等の再利用(資材のリユース)

Y邸では、現在住んでいる土地から、同じ市内の別の場所へ移転し住居を新築する、住み替えに伴う外構・植栽の設計提案をさせていただきました。お客様の要望は、永年住んでいた現在の家の庭にあるお稲荷さんの社をはじめ、石材や庭木も出来る限り新しい庭へ移したいということでした。つまり、新しい土地と新しい建物にふさわしく、外構はモダンデザインでありながら、植栽は旧宅の庭木を活用するデザインが求められたわけです。

樹木調査を行い、移植の可能性の検討・費用の検討等打合せを重ねて、結局移植樹木は、中・高木合わせて50本以上に及びました。ゴヨウマツやマキ、ツゲ等々全体に和風の庭木としての手入れと仕立てが行われていて、伝統的な和風の印象の強い樹木が多く、モダンな建物との調和が課題でした。

 

□和モダンスタイルの前庭

建物は3階建て、白と黒のモノトーンのスタイリッシュな外観で、約300坪の敷地のほぼ中央に建つ計画です。そのため庭は、玄関・ガレージ前の前庭と、建物の反対側の奥まった主庭とに空間的に完全に分離されることになりました。

前庭は、道路側から門廻りや塀を中心とした外構、そして建物とが見えるわけであり、また、お稲荷さんの社も玄関前へ移設することに決まったために、建物のモダンな感覚をベースにそこに和風のテイストを添える「和モダン」のデザインでまとめることにしました。

外構は、白い塗り塀に黒いボーダータイルをアクセントに建物と同調させましたが、アプローチは御影石の方形乱貼の延段が、社の前を通って玄関へ折れ曲がりながら続くモダンな和風としました。

さて、課題であった植栽は、移植木の中でも比較的素直な樹形や直幹の樹木を選んで、配植しましたが、(ダイオウショウ・ヤマモモ・コウヤマキ・ハナミズキ・サザンカ等)幸い和風の印象はさほど強くなく、モダンにわずかに和が感じられる程度で、前庭の全体が「和モダン」というイメージでまとめることができました。

 

□伝統的な和風の主庭

主庭は、建物の反対側ということで、前庭とは完全に分離されています。そのため、移植樹木の中でも仕立物であるゴヨウマツ・マキ・ツゲ・モチ等の常緑とベニシダレモミジ等の落葉を活かすために、伝統的な和風のイメージとすることにしました。庭には大きなデッキも作りましたので、完全な和風ではありませんが、仕立物のマツやマキの圧倒的な迫力で“和”のイメージが強く現れています。

主庭は、道路から見ることはできませんし、また建物はモダンデザインであっても、室内から庭を見る際には建物の外観は見えないわけで、このためイメージとしてはミスマッチではあるものの、違和感は抑えられたのではないかと思います。

 

□家庭菜園と果樹の庭

移植木の中には、カキ・カリン・ミカン・ウメ・ブルーベリー等の果樹類もありました。

農家でもあるY家では狭くても菜園も必要で、このため主庭の一部に菜園コーナーを設け、周りには果樹類を移植しました。このコーナーは主庭の和風の景観と調和することはないため、直接見えないように配置していますので、庭に出ないとその存在には気がつかないようにしています。

 

□家族の歴史を伝える庭

Y家のように、何代にもわたって住んでいた土地を移り、新しい家を建て、新しい生活をする場合には、ことに家族の歴史を、何かによって伝えたい気持ちが強くなるのはよくわかります。稲荷の社も、先代が敬い家族の平安と繁栄を祈った年月がそこにこめられていることでしょうし、また毎年の手入れを続けて、ようやく現在見る枝振りまで作ってきた庭木も、先代の努力のたまものといえるでしょう。

そうした、家族の記憶を大切にし、忘れないようにしたいというY様の気持ちが今回の庭づくりのコンセプトであったように思います。私たちは、それを具現化することをお手伝いさせていただいたのです。

家族の歴史を伝えるお手伝い、ちょっと誇らしい気分を味わうことができました。

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