<神田川沿いの街 目白台の街と庭園-8>

新江戸川公園⑤

□ 池と橋のつくる景観

池の護岸
池の護岸

平面図(クリックで拡大されます)
平面図(クリックで拡大されます)

 新江戸川公園の池は、瓢箪形と言われますが、随分と形の崩れた瓢箪です。平面図を見ても、その形はきれいな曲線ではなく、ことに南側は直線に近いラインに無理やり凹凸をつけたようで、単調といってもいいでしょう。また、池の護岸は大部分が乱杭で、ところどころに石が据えられている程度で、護岸の石組みも見るべきものがないなく、更に定番の出島や洲浜に雪見灯篭を置くというかたちは見られるものの、この位置が最適かといえば必ずしもそうとは言えない場所です。これらをまとめて言えば、この池は形態や、造形という観点からは、けっして高い評価を受けられるものではない、と言わざるを得ません。

出島と雪見灯篭
出島と雪見灯篭
土橋から松聲閣を臨んだ景観
土橋から松聲閣を臨んだ景観

 しかし、面白いのは、この池はそうした欠点を持ちながらも、広い水面によって美しさを見る人に感じさせ、時には欠点をも忘れさせる景観を見せてくれることです。ことに、東側の瓢箪のくびれに当たる位置にかけられた土橋からの、奥行きのある水面の先に松聲閣を望む構図で見る池は、欠点をほとんど意識することなく、庭内で最も美しい景観を見せてくれます。見る位置と、角度によって見え方も違ってくるようです。

 

土橋の反対側の小さな水面
土橋の反対側の小さな水面

 また、この土橋上から、振り返って東側を見ると、西側と同じ池とは思えないような小さな水面に、紅葉したモミジが枝を伸ばしていて,幽邃と表現したくなるような、侘びた光景が目の前にあります。これは、ちょっと不思議な感じです。一つの橋の右と左、向こうとこちらで、ガラリと違う景色を眺められるのです。

 

 ここで平面図をもう一度見てみると、この土橋のところで池がくびれ、そこから東側が極端なくらいに池が小さくなっています。図面では、極めてアンバランスな感じを受けます。それが、実際の景色では、違和感を覚えることもなく、それでいて景色がガラリと変わる面白さは、ここが橋であるということもあるのかもしれません。橋は、ひとつの景色を隔てることも、またふたつの景色をつなげることもできるからです。しかし、分かっていたはずであった図面と現実は違うということが、これほど目の前で見せ付けられると、自分の目に自信を失います。

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