<神田川沿いの街 関口台の街と庭園-5>

椿山荘庭園①

真の天然趣味の庭といわれた自然主義庭園

□ 椿山荘の立地と地形

椿山荘庭園鳥瞰図(クリックで拡大されます) 【ホテル椿山荘東京HP】より

 椿山荘は、目白台の尾根筋を通る目白通りを敷地の北端とし、台地と南に下る斜面を含み神田川を南端とする、地形的には極めて変化に富んだ土地です。その地形の特徴は、3つの丘と2本の谷という言葉で表現されますが、神田川に沿って東西に走る目白台の台地に、南からY字形の谷戸が刻まれて生み出された地形で、2本の谷戸によって分割された台地が、3つの丘になっているのです。

 

 台地と谷の織りなす東京山の手の中にあっても、これほど複雑な地形は他に例を見ないのではないでしょうか。この土地を見出して、庭を作り上げた山県有朋の、土地を見極める眼力が名園と言われた庭を作り上げた第一の要因であったかもしれません。それも特に、自然主義庭園といわれる、自然らしさを作庭の基本とする庭園においては、地形の変化のなかでこそ自然らしさは際立つからです。

 

 現在の椿山荘は、3つの丘のうち目白通り沿いの北側の丘には、結婚式場の入るプラザ棟が建ち、東側の丘には高層のホテル棟が建っていて、西側の丘だけが椿山荘の象徴ともいえる三重塔を中心にした庭園となっています。

 

 丘のあいだの谷戸は、水景を生かした庭園で、東の谷戸には自然風の流れがあり、群生する木立の底からせせらぎの音が響いています。「ほたる沢」と呼ばれるこの谷戸は、庭内で最も自然風の景観が残されている場所でもあります。

 

 これに対して、西の谷戸は、同じ水景といっても極めて造形的であり、変化に富む景観となっています。隣地の蕉雨園(旧田中光顕邸・現講談社)の邸内の湧水を水源とした水流は、幅の広い落水の姿を見せる滝となり、さらに幽翠池へと落ち、聴秋瀑を経て雲錦池へと続く変化のある水景の連なる庭園になっているのです。

営業時間

平日10:00~18:00 

定休日

土・日曜日、祝祭日

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