<神田川沿いの街 関口台の街と庭園-6>

椿山荘庭園②

□ テラスガーデンから見る庭園

  椿山荘へは、神田川沿いの道から裏門を通って入ることもできますが、庭園の見学が目的で訪れるのであれば、目白通り側の入口から入ったほうが、最初に庭園全体を視界にとらえることができるので、庭園を読み取る上では良いように思います。

 

 目白通りから、ホテルへの趣のある入口と違って、素っ気ないつくりのアプローチを通ってプラザ棟のロビーに入ると、正面の巨大なガラス窓から、庭園を見下ろすことができます。春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉、そして冬木立、いずれの季節にも庭園の美しさを見せるショーウインドウのようです。

ロビーの窓から庭園を見下ろす。高い木立はほたる沢、その奥の東の丘にホテル棟が建つ。
ロビーの窓から庭園を見下ろす。高い木立はほたる沢、その奥の東の丘にホテル棟が建つ。

 その一方でここから見る庭園が、ずいぶんと低い位置にあることに気がつきます。ですが、台地の上から台地の下を見下ろすこの見え方が、もともとの旧山県邸の椿山荘からの景観に最も近い視点かもしれません。かつては、早稲田の稲田が望まれる、眺望絶佳の地であったことを、思い出させる景観です。

 

 ロビーから階段を下りて庭園に出ると、そこは洋風のテラスガーデンになっています。結婚式場や宴会場、チャペルに付属した庭園であり、新郎新婦の撮影スポットで、展望台でもあるという多様な用途を持つ空間です。実は、このテラスガーデンは建物の屋上で、3~4カ所あるガーデンそれぞれが、高さを変えたり、植栽で視線を遮ったり、利用する人たちの視線が互いに交錯しないように、巧みに作られています。その上洋風のガーデンウエディングのイメージも備えていて、商業施設の庭園らしく、極めて機能的、合理的な考えのもとに設計されていることがわかります。

テラスガーデンから幽翠池を見下ろす。
テラスガーデンから幽翠池を見下ろす。
幽翠池の反対側からチャペルの建物を見る。この建物の屋上がテラスガーデン。
幽翠池の反対側からチャペルの建物を見る。この建物の屋上がテラスガーデン。

 華やかな振袖やドレス、黒の式服に身を包んだ人たちの、動きの合間を縫ってテラスに立つと、庭園の全景を眺めることができます。建物を背にして立つと、左手には樹林を隔てて高層のホテル棟、右手の丘の上には三重塔があって、その間からは早稲田方面のビル群が望めます。

 

 さらに右手に目を向けると、視界いっぱいに広がってしぶきを上げる滝が見えます。幅も広く落差もあって、庭内でも随一の見どころと言えるのでしょうが、滝の名称は付けられてはいないようです。滝の水はさらにもう一段、低い滝となって、池に落ちますが、この池は改修を受けてはいますが、山県有朋の作庭時からの幽翠池で、現代の椿山荘新十勝の一つにもなっています。

営業時間

平日10:00~18:00 

定休日

土・日曜日、祝祭日

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