<白金台の街と庭園-2>

池田山②

□ 坂の街に残る昭和の街並

 池田山の台地上には、整然と区画された住宅地が広がっています。しかし、地形としては平坦というわけではなく、西側のJR目黒駅方向から、東側の桜田通りに向かって、ゆるやかな長い傾斜があり、宅地はその斜面にひな壇状に造成されています。

 

 このため、住宅地の道路は、東から西に向かって長い坂を登ることになり、こうしたところにも〝山〟と形容されたこの土地の特徴が現れているようです。

 住宅地は、多くの建物が現代的で高級感あふれる新しい建物や、どっしりと落着きのある低層の集合住宅に建て替えられていますが、ところどころに残る古い 住宅には、大谷石のよう壁の上に、万年塀や板塀、あるいは生垣や植栽が接道部を構成していて、戦前の昭和期からの歴史を感じさせてくれる街並をイメージす ることができます。


 大正末期に開発された住宅地である田園調布とは、大谷石のよう壁で土留を施された点では同じでも、その上の部分は考え方がまったく異なっています。田園 調布では、外周部には塀を設けることはせず、透過性のある柵(現代のフェンスにあたる)又は生垣にすることが、分譲時にルールとして定められていましたの で、同じ戦前期に開発された住宅地であっても、街並の景観はかなり異なっていたのではないでしょか。

 

 そんなことを思いながら街の中を歩いているうちに、昭和初期とも思える和洋折衷の洒落た住宅の塀に目が止まりました。コンクリート造の塀のところどころに風抜きと思われる丸い穴があけられていて、その穴に鉄製の棒で曲線を帯びた菱形の模様がはめ込まれています。


 現代でもブロック塀に風抜きの穴があるのを見かけますが、きわめて細部のことではありますが、そうした既成のものと比べるのは失礼とも思われるデザインといってもいいのではないでしょうか。

 

  塀の笠木と裾には、淡いブルー系の釉薬をかけたスクラッチタイルが貼られていて、アクセントになっています。このスクラッチタイルも、素焼きの石器質のも のはよく見かけるのですが、釉薬をかけた陶器のものはあまり見ることがありません。いつ頃のものか興味のあるところです。

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