<白金台の街と庭園-7>

池田山公園④

□ 池のまわりをめぐって

 斜面の山道のような石段を下って、池の傍らに立ちます。池は南北に長いひょうたん形をしていて、中ほどのひょうたんのくびれたところにかけられた石橋が、池の東西の園路を連絡しています。

  東岸の石橋の傍には、小さな州浜があり、小振りの雪見灯篭が置かれていて、この庭の景観ポイントの一つになっています。こうした形は、池のある庭の定形ともいえるものですが、この庭では、アプローチ沿いの前庭のおおらかな造りと比べると、なぜかこぢんまりとまとまり過ぎて、造形的には平凡といってもいいでしょう。しかし、夜間台地上から池を見下ろした時に灯篭に灯が入って、その灯が水面に映じるようになっていたとしたらどうでしょう。定形とはいいながらも、その夜景の照明はきわめて美しく効果的であったと想像することができるのではないでしょうか。

 

   池と州浜と雪見灯篭という組合せを見ると、ついつい変わりばえのしない定番の造形と考えてしまいますが、灯篭を庭園の添景物として見るだけではなく、実用の照明器具として見ると、橋の袂という位置と、水に灯が映ずる場所も充分に考慮されたうえで配置されたように思われます。

 

   池の護岸は、石橋の周辺にややまとまった石組が見られますが、さほど大きな石を使わずおとなしい石組で、それ以外は小さな目立たない石や、松丸太の乱杭が使われています。こうした石組の少ない護岸の造りも東京の庭らしさといえるのかもしれません。そして、植栽も池のまわりには庭木として形を作られた松などは見られず、モミジなどの落葉樹が多いのも、造形的な印象よりは自然風という感じを受ける理由になっているように思われます。

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