<白金台の街と庭園-8>

池田山公園⑤

 池の南端の斜面下には、山奥の渓流を思わせる滝があって、幾筋かの水が岩肌を伝って流れ落ち、池にそそいでいます。


 現在は、水は循環させているようですが、かつては斜面に湧きだす湧水を利用していたのでないでしょうか。

 

 大ぶりの稜角の多い石を組みあげた、豪快な石組みで迫力があり、見ごたえのある造形です。しかし、池の護岸に見られるおとなしい石の扱い方と異なる鋭角的な現代的表現や石材の違いなどを見ますと、昔からあったものではなく、公園として改修された時に造られたものではないかと思われます。

 

 滝というよりも渓流の景色を表したような表現や水の落とし方も、伝統的な形ではなく現代的といえるでしょう。先に見た石橋や雪見灯篭のあたりの伝統的な造りとは明らかに違うことが見てとれます。

 

 しかし、いずれにしてもこの滝のあたりの造形は庭中で最も秀でた景色であり、見所です。

 

 沢飛石を渡って池の東岸に入ると、池辺の石橋に向かう道と、樹林の中の山道とに分かれますが、山道を選んで小高い西向きの斜面を上る園路をたどります。

 

 大木の樹幹や枝の間からは、水面が見え、その先に池を挟んで向かい合うサツキ、ツツジの大刈込のような斜面が高くそびえています。歩くにつれて変わる景観ですが、こうした回遊式庭園の作庭にとって、地形の変化が激しいほど、その効果も大きいようです。

 さらに山道をたどると、樹林の中に大型の灯篭が立っています。池田山公園の灯篭や、幾つかある水鉢等の石造品は、大型のものが多いようですが、これらも戦前の大邸宅にふさわしい道具立てなのでしょう。

 

 山道を下って、再び池の辺に戻ると、護岸から、一段低く平石が水面近くに据えられています。船着場を象った船着石です。池の広さからすると、船着場を設けるほどの広さではないのですが、ここからは石橋や雪見灯篭を中景として奥行き感のある水景が楽しめる鑑賞点となっています。

 

営業時間

平日10:00~18:00 

定休日

土・日曜日、祝祭日

お問い合わせ