<白金台の街と庭園-19>

白金台の裏道・小道③

□ 三田上水の遺構と旧水路脇の小道

 白金台には、もう一つの名所があります。江戸の道から今里地蔵をまわりこんで、目黒通り方向に向かう道に入ると、間もなく正面に階段が現れますが、この階段の脇に三田用水の水路の断面を見せる形で、用水の遺構が残されているのです。

 この場所は、白金台と高輪台の間の谷戸の谷頭に当たり、どちらの台地からも坂で下っているために、道路より高い位置に堤状にかさ上げされたところを水路が通っていて、人の眼の高さで水路の断面を見ることができるのです。


 三田用水は、寛文4年(1664)に開削され昭和49年(1974)に廃止されるまで、農業用水、工業用水として利用された水路です。世田谷区の下北沢で玉川上水から分水されて、渋谷区の上原、富ヶ谷、代官山から恵比寿、そして目黒の台地上を通り、港区の白金台から高輪台の尾根筋を流れて三田方面に至る用水でした。


 三田用水の遺構は少ないうえに珍しく水路の断面が見られるため、水路好き、暗渠好きの人たちだけではなく、多くの散歩好きの人たちも訪れる小さな名所になっています。


 遺構の脇の階段を上ると、白金台幼稚園と住宅や白金台三丁目遊び場の間に細い小道が続いて、その道沿いには点々とケヤキの大木が立ち並び、空を覆うように枝を広げています。三田用水の旧水路沿いの道でもあり、玉川上水の水路沿いの緑地のようにも思われますが、この地にあった屋敷の樹林の名残とも見ることができます。


 いずれにしても、武蔵野の農家の屋敷林を思わせるようなケヤキ並木とこのような小道が、今どき東京の真ん中に残っているのは、極めて稀なことではないでしょうか。この風情あふれる小道に足を踏み入れた時、なにやらほっとするとともに懐かしいような気持ちが湧きあがってきました。

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