<白金台の街と庭園-28>

八芳園庭園⑤

□ 四阿 角亭

 霞峰庵の反対側を見ますと、右手斜面は一面にツツジ、サツキの刈込で埋め尽くされ、その中にアカマツやサクラ、モミジが植えられていて花や新緑、紅葉などの季節の彩を楽しみながら散策することができる園路が通じています。台地の上を見上げれば、壺中庵の建物が、下を見れば池の水面を見ることができる、まさに四方八方に見所のある園路といえるかもしれません。


 石段道の園路に戻り、さらに下ると右手に四阿(あずまや)が見えてきます。四阿は、庭園内の景色の良いところを眺めるための休憩施設ですが、逆に庭園の景観添景物ともなって、眺められる施設でもあります。

ミニ知識

あずまや

 東屋 四阿・阿舎とも書く。今は四方吹き放しの軽微な庭園建築をいうが、昔は寄棟造りを指す(入母屋造りを含むこともある)。東国の、あるいは広く田舎風のという意味から出た言葉と思われる。(『国史大辞典』吉川弘文館より引用 



 この四阿は角亭ともよばれていますが、実は庭園内に4棟の四阿が点在していて、角亭、丸亭、六角亭と四阿の屋根形状に合わせて名付けられています。残りの1棟は池の上に造られているために水亭とよばれています。


 四阿は通常はきわめて簡単な、特に意匠に凝るような建物ではありませんが、この八芳園の四阿は形や屋根材、軒裏のデザイン、そして丸窓などひとつひとつに工夫がこらされていて、それらが一体として庭園景観に趣を添えているようです。


 また角亭の建つ位置も、池辺の斜面の下から石を積み上げ、園路を広げると共に石垣の上に建てることによって、より水面を眼下にする効果をあげ、更に池の反対側からは石垣上に建つ四阿がよりいっそう美しく見えるという効果をねらっていたのではないでしょうか。四阿ひとつといえども、あなどるべからずというところでしょう。

営業時間

平日10:00~18:00 

定休日

土・日曜日、祝祭日

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