<白金台の街と庭園ー57>

 シェラトン都ホテル東京の庭園 ③

 園路は、滝の前にかかる石橋を渡ったところで行き止まりで、その先はバックヤードになっているようです。結局そこから逆戻りすることになりますが、斜面の滝と池の間が狭く余裕のない空間とはいえ、回遊できる園路がなく後戻りしなければならないのは、いささか残念な設計のような気がします。

 

 それはともかく、石橋付近にたいへん珍しい石が立っているのに気がつきました。 

 左の写真に見るように、白く細長い柱状の石で、これはおそらく石筍(せきじゅん)でしょう。石筍は石灰岩で、鍾乳洞の中などで長い年月をかけて生成されるものです。洞窟の天井から垂れ下がるつらら状のものは鍾乳石といい、地面から柱状に盛り上がるものを、その形から筍(たけのこ)に見立てて石筍とよばれます。

 

 現在ではもちろん採取することはできませんので、昔のものでしょうが、なんとも珍しい石があるものです。

珍しいといえば、流れに使われている白い石も石灰岩のようです。多孔質の石質で縁が尖ってギザギザになっているところを見ると、珊瑚礁の珊瑚かもしれません。

 

 普通は、和風庭園に使われることのない石材で、こうした珍しい石が使われているのは、ホテルができる前の、昔の庭を造った藤山雷太氏の好みであったのでしょうか。あるいは、これらの石に何かいわれがあったのでしょうか。

 ところで、自分がもしこのような石のある庭を、改造する立場に置かれたとしたら、と考えてみますと、これらの石を使う場所と使い方には、相当悩むのではないかと思います。そのくらい他の石材とは、異質な感じがあるのです。それにつけても昔の藤山雷太邸時代の庭園では、どこにどのような形で使われていたのか、興味を覚えます。

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