<白金台の街と庭園ー62>

シェラトン都ホテル東京の庭園 ⑧

 脇道を抜けて再び広場に戻りますと、広場まわりに何本も立っている灯篭の中で、色の黒い、これもどこか異国風の感じがする灯篭が、眼にとまりました。

 

 灯篭が、日本のものと異なっているような印象を受けたのは、第一に基礎石から立ち上がっている円筒形の竿の部分です。全体に黒っぽい石の地色に、鉄さび色があらわれている様子は、日本の石材では見かけないものです。また、鉄さび色になっているところに、蓮の葉が浮き彫りになっているのも、日本の灯篭には見ない形です。

 

 日本の灯篭では、ふつう竿の作りは上下の端部と中間に、竹の節のような細い帯状に浮彫された節とよばれるものがありますが、それが無い代わりに蓮の葉を、やや肉厚に浮き彫りにした模様がついています。しかしそれによって、竿の輪郭も歪んでいるように見えるのも日本のものには見られない点かもしれません。。

 第二の違いは、笠の上に乗っている宝珠の形で、請花と呼ばれる蓮弁が二重になっていて、その上に宝珠が乗っているように見える点です。そして宝珠の頂部に尖りが見られないのも違いのひとつでしょう。

 

 そして三番目は、火袋です。火袋は六角形の角々に仏像が浮き彫りにされていて、その間の各面ごとに窓が開けられています。窓はふつう円形や四角形ですが、ハート形を逆さにしたような窓が開けられているのは、日本のものにはあまり見られない形で、これも変っている点といえるでしょう。

 

 こうしたところから、この灯篭は異国のものではないかと思われるのですが、その中で、蓮弁の彫られた基礎石は石質が異なりますので、これは後から補われたものと思われます。いずれにしても、このように多くの異国の石造品が見られるという点では、この庭はきわめて珍しい異色の庭と言えるかもしれません。

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